ワックスプラスは、紙を部分的に半透明にする特殊加工です。特殊なワックスプラス液を紙に浸透させることで半透明化しますので、若干の「にじみ」が発生する場合があります。
ワックスプラス液の量が多いほど、透明度は上がりますが、「にじみ」も大きくなります。あまりシャープではない「特有のあいまいさ」が独特の雰囲気を生み出します。
ワックスプラスの魅力

透かしデザイン
ワックスプラスは、紙そのものを“部分的に半透明にする”特殊加工です。
さまざまな紙の風合いや魅力を活かしつつ、文字や模様などを透かし込むことで、今までにない“透かしによるデザイン表現”ができるようになりました。

ピンポイントで 透かせます
紙全体が透けるのではなく、透かしたい部分のみをピンポイントで透かすことで、線画やベタ、ブランドロゴのモチーフなど、さまざまなデザイン表現が可能になります。乾燥仕上げすることで、経年による「にじみ」は進行しませんので、制作時の描写が維持できるのも特長です。

いろいろな紙を
印刷用紙、ファンシー紙、和紙、色紙など、さまざまな紙の風合いが活かせます。
※コート紙や合成紙は、ワックスプラス液が浸透しませんので、透けません。
※黒や濃い色の紙は、光の透過がないため、透けません。
※透け感は、紙質、紙厚などにより変わります。

組み合わせて表現
「精細なオフセット印刷」と「透かし」の組み合わせや、オフセット印刷部分をウラ面から透かしを入れ、ステンドグラス調にする、透かした紙を通して2枚目を見せるなど・・・表現方法がひろがります。
ワックスプラスについて
ワックスプラス加工には、「にじみタイプ」、「エッジタイプ」の2つのタイプがあります。ご希望の透け感や、紙質、紙厚、デザイン内容等によってどちらかをお選びください。
※1枚の作品で部分的に「にじみ」「エッジ」の2つのタイプを併用することはできません。

にじみタイプ
ワックスプラス本来の「自然な にじみ を伴った透明感」が特長です。
細かな輪郭は出にくい反面、素朴で柔らかみのあるイメージ表現に向いています。
コロッケの包紙のような”油染み”でデザイン表現するのも、面白いかもしれません。

エッジタイプ
ワックスプラスの液量をコントロールことで、透明感は下がるものの、にじみ を抑えることができます。シャープな輪郭や、細かいデザイン表現に向いています。
魅せる紙製パッケージ
紙というあたたかみのある素材に、透かしを入れることで、素材の持ち味を活かすとともに、意匠性を高めることができます。
見た目だけでなく、リサイクル性の高い、環境に配慮した仕様が可能です。

吊り下げパッケージ(透かしで製品を魅せる)

紙製クリアファイル
紙製クリアファイルワックスプラスのQ&A
Q1.紙によって「透け感」は変わるのですか?
紙質や紙厚によって「透け感」は変わります。
紙厚が薄いほど透け感は高くなりますが、紙質によっては、“にじみ” が出やすいものもあります。いろいろなお好みの紙で、どんな透け感が出るか、紙厚の違いはどうか、などを検証できるよう、“事前テスト(有償)”の実施をおすすめしています。
特に透け感は、主観的な部分が多いですから、実際に実物を見て検証するためにも、事前テストはお役に立ちます。
「HTホワイト62g/m²」は、当社がワックス窓封筒用に開発したオリジナル抄造紙で、透け感は最も高くなります。(紙厚は62g/m²の1種類のみです)
一方、紙が厚くなるほど、透明度は下がります。紙質にもよりますが、透け感が感じられるのは、およそ100g/㎡ぐらいまで。紙幣のように、光にかざして透けるぐらいの透け感が良い場合は、あえて120g/㎡程度の紙厚を選ぶことも面白いと思います。
Q2.ワックスプラスの「タイプの使い分け」は?
細かなデザイン部分がある場合、液量を意図的に抑える「エッジタイプ」を選択すると、輪郭はシャープに表現できますが、「にじみタイプ」よりも透明度が若干下がります。
細かな表現が無く、透明度を優先させたい場合は「にじみタイプ」の選択となります。
Q3.紙の種類を決めかねているのですが?
事前テスト(有償)で、紙質や紙厚による「透け感」の違い、デザイン表現の精度、にじみ感等を確認して頂くことができます。特に、希望されている「透け感」が、どの紙厚であれば可能かの検証がとても重要です。事前テストは、多くのお客様にプレゼン用のサンプルやプロト作成としても、ご利用頂いております。
Q4.事前テストの詳細を教えてください。
お試しになりたいデザインデータをご支給ください。(イラストレーターCS6まで、アウトライン化してください)
印刷がある場合は、印刷データ、ワックスプラスの透かしのレイヤーに分けてご支給ください。(四方トンボは必須です)
ワックスプラスのレイヤーは、特色1色設定してください。(掛け合わせは不可です)
ご希望の紙の銘柄、種類、紙厚と、ワックスプラスの加工タイプ(にじみ/エッジ)をご指定ください。
1種類の紙につき、4/6判半切(788×545mm)またはハトロン判半切(900×600mm)で5枚程度、加工を行います。
ワックスプラスはハトロン判半切サイズに対応できるよう、大きな型を作成しますので、数パターンのデザイン候補がある場合は、付け合わせてテストすることができます。
1枚のデザイン内で、にじみ/エッジタイプの部分選択はできません。デザイン内容により、どちらかのタイプをお選び頂きます。
(にじみ/エッジいずれかのタイプに合わせて型を作成します)
Q5.価格はどうやって決まるのですか?
価格は、半透明にする面積の大きさで決まります。例えば、紙の全面に市松模様を入れる場合、全体の約半分の面積として計算します。レイアウト位置は関係なく、ワンポイントのデザインを両端に配置しても、透かし部分のみの合計面積で計算します。
Q6.ロウ引きは暑いと溶けますが、ワックスプラスは大丈夫?
ワックスプラスは、一度乾燥させると、高温下でも溶けたり、ベタつくことはありません。また、経年で「にじみ」が進行することもありません。
Q7.ワックスプラス加工のみをお願いできますか?
当社で 紙、印刷、ワックスプラス加工 までをセットで承っております。
デザインや紙質により、製造に必要な紙の準備枚数が大きく変わりますので、全て当社でご用意させて頂きます。
(当社でできない、何らかの前工程が必要…等の場合は、この限りではありません)
Q8.ワックスプラスで半透明にした部分に、あとで印刷できますか?
印刷がある場合、オフセット印刷後に、ワックスプラス工程の順となります。
オフセット印刷とは工程が異なるため、紙の伸縮等により、完全な見当合せはできません。
また、ワックスプラスは若干の「にじみ」が出る場合がありますので、予めご了承ください。
(経年によるにじみの進行はありません)
Q9.透かし部分への箔押しはできますか?
ワックスプラス加工後の半透明(透かし)部分は、折り曲げや、強い圧力がかかることで、白くなり、割れる場合があります。
透かしのない通常の紙部分への折り曲げや箔押しは問題ありません。